【主張】連ジの安易な移植には反対だってお気持ち表明

機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX』は今もなおガンダムゲーム最高傑作と評する声もある往年の名作で、現行ハードへの移植を望む声も少なくありません。

しかし自分は表題のとおり、連ジDXの軽はずみな移植には反対しています。
「何言ってんだこいつ?」と思われる人が大半でしょうが、現役の連ジ熱帯プレイヤーの中には同じ考えの人も案外少なくないんじゃ……と勝手な想像をしています。

もちろん今からでも連ジの「完全移植」が可能であればこんなに嬉しいことはありません。

しかし連ジ稼働から20年以上が経過した現在、そのような理想的移植が実現するなんて奇跡はまずあり得ないと感じられてならないのです。

PS2&DC版の家庭用連ジは「完全移植」ではない?

今になってなぜ連ジの移植に反対すると言うのか?

その理由はアーケード版連ジDXの忠実な移植の可能性が極めて低いから……そして、原典から多くの変更が加えられたPS2版もしくはDC版が採用される可能性が非常に高いからです。

連ジ熱帯を嗜んでいる人はご存じかもしれませんが、プレイステーション2(PS2)とドリームキャスト(DC)に移植された家庭用連ジは、アーケード版から多くの変更が加えられています。

その変更点はグラフィックや効果音など演出的な要素のみにとどまらず、実際のプレイそのものに決して小さくない影響を及ぼすものが多数確認されています。

影響の大きな変更点の最たる物が「空中制御の鈍化」であることは間違いないでしょう。

家庭用連ジDXでは「空中での動きに慣性が働いているとき、その慣性の方向と機体の向きとが一定以上ズレている状態で再上昇すると、慣性が失われる」という調整が行われています。

噛み砕いて言うと「空中でブースト再浮上しようとすると動きにブレーキがかかってしまう場合がある」ので、空中での機動力に大きな制限が課せられてしまうのです。

アケ版ではこのような制限はなかったため、ゲームセンターと同じように家庭用ネット対戦をプレイすると、空中での予期せぬ被弾が多発してストレスを感じる要因となっていました。

家庭用でもCPU戦をプレイするだけなら影響も些細なものでしたが、連ジ熱帯復活によって家庭用でも対人戦が可能となり、細やかな空中制御が要求されるにつけ「…空中で避けたつもりが食らってる…妙だな。」と無視できない違和感に悩まされることとなったのです。

なお、現在の連ジ熱帯では、この違和感を解析した開発運営班の尽力によりアーケードモデルパッチが適用されています。これによってアーケード版と同様のブースト仕様へと修正が行われ、家庭用熱帯でもストレスのない空中機動を体験することができるようになりました。

家庭用連ジでは他にも特殊テクニックの削除、一部MSの大幅な弱体化などといった変更が行われています。その変化を良しとするか否かは人それぞれ好みによるのでしょうけど、ゲーセンでの対人戦に慣れ親しんでいた管理人からすれば、それは改悪としか思えないものでした。

もしも現実に連ジが移植されるとしたら、それはPS2版の再移植?

連ジは以下のような功績を残しつつ、アーケードゲームとして大ヒットを果たしました。

● 2001年当時のゲームセンターを席巻し、一世を風靡。
● 画期的2on2システムとガンダムのネームバリューからゲームセンターの新たな客層を開拓。
● 年間の最優秀アーケードゲームを選出するアルカディア大賞を受賞。

格ゲー衰退期のゲーセンを支えた救世主とも言われたこのゲーム。

ですがプレイ人口が一番多いのはゲーセンを盛り上げたアーケード版ではなく、同年12月に発売されたPS2版じゃないかと推測されます。

2000年3月の登場から注目を集め、ゲーム機史上最も売れたハードとなったPS2。
その全盛期にガンダムゲーム唯一のミリオンセラーを記録したのが本作で、特にPS2版のみに搭載されたミッションモードは多くの家庭用プレイヤーから好評を博しています。

ガンダムのキャラゲー要素も大きな魅力を占める連ジにおいて、名も無き一兵卒として一年戦争を追体験できるミッションモードはガンダムゲームファンからも高い評価を受けました。

わざわざゲームセンターに足を運ぶ人なんて今も昔も少数派。出荷本数が振るわなかったDC版とは比較するまでもなく、PS2版を推す声が最大多数派であることは明らかです。

もしも移植orリメイクによる需要を見込むなら、ミッションモードなど追加要素もあり最高売上本数を叩き出したPS2版ユーザーが顧客層となるのは当然のこと。

そうして対人戦に関心の薄い家庭用ユーザーがターゲットとなれば、そもそもアケ版と家庭用との些細な違いなんて認知されることすらないままに、未だ2on2対戦の奥深さにこだわるヘビーユーザーなどは容易く切り捨てられてしまうことでしょう。

画期的な4人同時協力対戦システムを引っさげ数々のゲーム賞を受賞した大人気アーケードゲームのはずが……「ガンダムゲーの最高峰」とか「ミッションモードが素晴らしい」だとかキャラゲーとしての側面ばかりが評価されてしまう現状は、個人的にかなり残念だったりします。

これってあんまり共感されないんですが、対人戦メインのプレイヤーである自分にとっては割と遣る瀬無い話だったりするんですね。

そもそも連ジ対人戦の現役プレイヤー自体が相当に偏ったマイノリティだってのは、全くもってその通りですからね…。

「EXVSと連ジどっちが面白いの?」みたいなスレがあったけど方向性が違うんだから面白さは人それぞれじゃねぇの。キャラゲーとして連ジは良くできていたし、連ザ・NEXTを経てより爽快な対戦ゲーに昇華させたEXVSも評価できる。同じVSシリーズとはいえ、楽しみ方は全くの別物やで。

ミッションモードありきで連ジを語る人は決して無視することのできない多数派。
一方でゲーセンの連ジ2on2対戦にどっぷりハマってた廃ゲーマーは絶滅危惧種の少数派。

もしPS2版の延長で連ジがリメイクされるようなことがあれば、今後アーケード版の忠実な移植は絶望的なものとなるに違いないでしょう。

開発者にとってのアーケード版は『ミスが修正されていない不完全版』?

管理人は以前に、元連ジ開発者の方とSNSにて会話を交わす機会に恵まれました。

管理人の不徳の致すところで突っ込んだ話は伺えなかったものの、家庭用での仕様変更については概ね「意図的に修正を行った改善点」と評されたように感じられ、「アーケード版そのままが良かった」と考える管理人との間には隔たりが存在していたように思われました。

連ジを作ったカプコンスタッフにとっても、圧倒的多数派と思われるPS2ユーザーにとっても、追加要素ありで『ミスが修正された』PS2版こそが決定版なのか。

敢えてアーケード版を欲する少数派の声が採用される可能性は極めて低いものと推察されます。

連ジ製作に携わったカプコン開発陣はほとんどが離脱し、ましてや現行シリーズはバンダイナムコが製作を担当する中で、偏狭な連ジマニアに配慮した「アーケード版完全移植」なんてものが今更行われるとは露ほども思えません。

有志が運営する非公式の連ジ熱帯と違って、もしも公式(?)の移植版でネット対戦が運営されるとなれば、PS2版を前提に移植作業が進められることは凡そ間違いないでしょう。

あるいは連ジ開発者曰くの『完全移植』となるDC版が採用されてしまうかもしれません。

だからこそ、管理人個人の願いはあくまで

「アケ版連ジDXの完全移植、もしくは連ジ熱帯の運営継続」

であって、不完全移植のPS2版再移植や中途半端なリメイク版の発売ではないと、ここで声を大にして言っておきたいのです。

(仮に連ジ熱帯の運営が継続したまま、家庭用の再移植版でもネット対戦が運営されるとしたら…。)
(一般ユーザーの多くは健全な公式移植版へと流れ、プレイヤー層の分断が生じてしまうことでしょう。)

結論:アケ版も家庭用も含めた全バージョンを移植すれば全てが解決する!?

いやもう、現実的に可能かどうかは別として、このやり方が一番丸く収まるはず!

ここまで色々書いてきましたが、アーケード版もPS2版もDC版も連ジ熱帯gdxsv版も無印のACDC2種も含めて、全部がぜ~んぶまとめて収録した真の完全版フルセットコレクションを出してしまえば誰からも文句は出ないはず!!!

もし連ジの移植が現実に有り得るなら、他のやり方だとほぼ間違いなく摩擦が生じるだろうし、今なお現役で連ジ対人戦を嗜むヘビーユーザーこそ最も大きな被害を受ける可能性が高いので、そこんところ重々考慮していただければ凄くすっごく助かります!

現行機に連ジが移植されない理由は十中八九で版権絡みの大人の事情なんだろうけど、何かの手違いで連ジが再び日の目を見るようなことがあれば…。

⦅ 一部の連ジ狂だけじゃなく、全ての連ジファンみんなが仲良く遊べる環境であってほしい!⦆

コアユーザーだけが閉じた空間で盛り上がっても、いずれ先細りが生じて行き詰まるはず。
ライトユーザーに裾野を広げれば新規プレイヤーを獲得する導線となるし、さらには過去に引退した老兵の復帰をも促すことができれば、連ジの未来もより明るくなるはず!

いやほんと、多人数で遊べるこのゲームは人と人とのコミュニケーションツールでもあったり。
プレイ環境だってもちろん大事だけど、一番はそうじゃない。
一緒に仲良く遊べる仲間が一番大事!

どうか皆が満足いく、連ジを幸せに遊べる未来が来たることを願ってやみません。