1.始めに
「ズンダは成功すれば必ず二連続ヒットする」
という風に解説する人がいる。
また、「二連続ヒットすればズンダ、そうでなければズンダでない」
と言う人もいる。
結論からいうと、それらは全くの間違いである。
なぜならば、実際に敵機が感じるズンダビームの間隔は、
自分がズンダにかかった時間とは等しくないからである。
また、『(遠距離のズンダより)近距離のズンダの方が決まりやすい』
と言われることもある。
これは間違いではないが、正確な言い方ではない。
より重要なのは、射撃後に進んだ距離と、自分と敵
機の角度である。
このページでは、ズンダをした時に敵機が感じるビームの間隔を
『ズンダ関数』として表す事により、
ズンダを厳密に数値化し、それらの誤解を解く事を目的としている。
2.ズンダ関数の導出
画
像を別窓表示する
図のようにズンダをした状態を考える。
t
(デルタt )は自機の一回目と二回目のBRの射撃間隔、
r とθ は自機と敵機の距離と角度、
x は着地するまでに前に進んだ距離である。
また、v はビームの速度である。
一回目にBRを撃ってから敵に当たるまでの時間は、
敵までの距離をBRの速度で割ればよいので、
t 1 = r/v で
表される。
上図のピンク色の斜め線が、一回目のビームの進んだ距離である。
次に、二回目にBRを撃ってから敵に当たるまでの時間を考えよう。
図の水平なピンク色の線が、ビームの進んだ距離である。これを速度v
で割ると、
この時間はt 2 = (rcosθ-x)/v
となる。
一回目と二回目の自機の射撃間隔がt であるので、
一回目のビームと二回目のビームが敵に当たる間隔T は、
t2 +t
から、t1 を引けば求められる。実際に計算すると、
となる。これを整理すると、
となる。これをズンダ関数T と呼ぶことにする。
もし、図の直角三角形の底辺の部分rcosθをd と置くと、ズンダ関数T は、
と書き直せる。
この形の方が三角関数cosθが消えるため、
多くの人にとっては理解しやすいかもしれない。
どちらの式もその意味は同じである。
3.ズンダ関数から分かる事
上のズンダ関数について良く考えてみよう。
実際に敵の感じるビームの間隔T は大雑把に言って、
ビームの射出間隔t から中カッコ{ }
の中身を引いた形になっている。
すなわち、T <t の関係が成り立ってい
る。
例えば、最速の射出間隔t でズンダした時でも、
しっかりと距離を詰めていると、最速の間隔
よりも短い間隔
でズンダを当てることができる。
始めに例を挙げた『ズンダは必ず当たる』という考えは、
『実際に敵機の感じる射撃間隔』=『自機のズンダの射出間隔』
T =t
という誤解から生じたものだという事がわかる。
実際には、その二つは等しくない。
次に、どうすれば敵機の感じるビームの間隔T が小さくなるかを考える。
まずズンダ関数において、一番重要な項がt である。
ズンダの中にも、ビームとビームの射出間隔が『短い』ズンダと『長い』ズンダがある。
t は射出間隔の短いズンダの方
が有利である事を示している。
当たり前と言えば当たり前である。
次に、ズンダ関数のx/v の項に注目する。
x は一射目から二射目までに(水平方向に)進んだ距
離である。
この項は、ズンダをする時は、
距離を詰めた方が有利であることを
示している。
最後の項 r (1-cosθ) は直感的に分かりに
くい形をしている。
r は自機と敵機を結んだ時の距離、θは自機と敵機の角度である。
r
は水平方向の距離(前の図の三角形の底辺部分)とは異なることに注意。
この水平方向の距離をd と置いた時、
r cosθ = d なので
r (1-cosθ) = (r - d)
と書ける。
これは『自機と敵機の距離』 - 『水平方向の距離』がこの項の正体である事を示している。
(r - d)が、『直角
三角形の斜辺』 - 『底辺』と書き換えられると考えても良い。
直角三角形の斜辺と底辺の差が大きいとき、この項は大きな値となり、
敵機の感じる射撃間隔T を小さくすることができる。
底辺の値を変えずに、斜辺の値を大きくするには、
三角形の角度θを大きくするか、高さを大きくすれば良い。
すなわち、ズンダをする時は
より高い位置から、角度を付けて射撃した方が有利で
ある。
始めに例を挙げた、『遠距離ズンダより近距離ズンダの方が有利』という考えは、
『同じ高さ』で撃つならば『近距離ズンダの方が有利』
と書き直せば正しい。これは、
同じ高さなら、近距離のほうが角度が大きくなり有
利だからである。
もし r (1-cosθ)のr に注目すると、
角度θが一定ならば、距離r
が大きいとき、T は小さくなる。
これは、より遠くから射撃した方が有利になる事を示している(ように見える)。
しかし、実際に遠距離からズンダをする場合、角度θは小さい。
よってθ≒ 0 と見なせ、r
(1-cosθ)≒0になる。
この時、ズンダ関数は、
T≒t - x/v
となり、
前に進んだ距離x のみが補正項になっている。
長い距離では、どうしても角度は小さくなり、
角度の補正は殆ど受けられない。従って、
遠距離では、角度以上に前に進んだ距離が重要で
ある。
弾速v に注目すると -1/v×{ } のような逆数の形をしている。
v が小さくなると、
1/v×{ } の値は大きくなる。
すなわち、弾速の遅い機体の方が有利である。
ただ実際には、ビームの速度は機体ごとに大きく異なる訳ではないので、
それほど気にしなくてもよいだろう。
4.最後におまけ
空中ダッシュが速い機体は、
前進距離x の補正が大きくなるので有利。
ズンダ関数で、θ = 0 とすると小ジャンプズンダの場合になる。
小ジャンプズンダはT ≒t
なので、距離と角度の補正を全く生かせない。
地上密着ビーム→小ジャンプ→ズンダ着地→密着ビームのように、
密着でズンダすれば確定で当たるというのは嘘。最速入力が必要。
x = 0 は天然ズンダ(真下に落下するズンダ)。
角度のみが補正項。
中距離以上の天然ズンダは、角度が取れず殆ど補正を生かせない。
中距離でもT≒t - x/v
と考えて、ほとんど問題ない。
中距離でのズンダが決まりにくい機体(ZZライフル、ギャプランなど)の場合、
空中ダッシュ時間を長くして、前に進む距離を長くすると確定ヒットするようになる。
それでも無理なら、ズンダ格闘のように、二発目を密着儀気味に撃つとヒットする。
もちろん前ダッシュ時間を長くするなり、大ジャンプをするなりした上での話。
近距離だと、ズンダ関数の角度の補正が大きくなり、ズンダが確定で決まりやすくなる。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
このページはリンクフリーダム、転載自由です。
おしまい
|